本 と 私

山崎 美智子(中央図書館)

 

いつどんなきっかけで、本を読むようになったのかは覚えていませんが、小さい頃から、本を読むのが大好きでした。それは、本好きの母の影響もあって、本だけは惜しみなく買ってもらえていたからかもしれません。幼少の頃から現在までを自分の読書歴としてご紹介します。

 

 幼稚園の頃は、幼稚園で借りてきた絵本を読むのが楽しみで、中でも松谷みよ子さんのモモちゃんシリーズや、かこさとしさんの絵本、『ぐりとぐら』などは、気に入って何度も読んでいた気がします。詳しい内容までは覚えていませんが、当時読んでいたものは、今でも本の表紙を見ただけで、とても懐かしく、わくわくした気持ちになります。

 

 小学生になると、夏休みの自由研究のテーマを探しに、県立図書館に連れて行ってもらったことを覚えています。自分の背丈よりも高い書架に並べられた本に圧倒されながらも、本に囲まれる幸せを感じました。「こんな仕事もいいな・・・」とその時何となく思った仕事に現在携わらせていただいていることに、感謝の思いでいっぱいです。

 

 中学時代は、図書委員になったこともあり、毎日のように図書室に通っては、赤毛のアンシリーズから戦争の体験記まで、友人と競うようにしていろんなジャンルの本を読みました。

 

 高校時代は、クラブと勉強に明け暮れる毎日で、なかなか本を読む時間はありませんでしたが、大学受験を終え、母からの勧めで『風と共に去りぬ』の映画を見たことが、大きなきっかけになりました。主人公スカーレット・オハラの力強い生き方に大変感動し、原作を読んでみたいと思いました。初めて挑戦した長編小説でしたが、寝る時間も惜しいと思うほど、一気に読みました。その感動を直接原文で読めるようになりたいと思ったことが、英文学科を選んだ理由の一つです(その夢はまだ実現できていませんが・・・)。私にとってこの本は、何度でも繰り返し読みたいと思える一書です。

 

 大学時代は、英文学科だったこともあり、欧米の文学作品が中心になりました。『レ・ミゼラブル』、『スカーレット』、『ジェイン・エア』、『嵐が丘』、『カルメン』、シェイクスピアやディケンズなど、映画や音楽と重ね合わせて読む日々でした。アルバイトで貯めたお金で、少しずつ本を買い揃えていくのが嬉しくて、その時集めた本は今でも大事な財産となっています。友人の影響で、吉川英治の『宮本武蔵』や灰谷健次郎の『天の瞳』など、日本の作品も少しずつ読むようになりました。

 

 社会人となってからは、仕事に関連する本など、実用書を読む機会が増えました。一度読み始めると止まらなくなってしまうため、なかなか文学作品を読む時間がとれなくなってしまい、もっと学生時代に本を読んでおけばよかったと、今、少し後悔しています。

 

 創立者も常々読書の大切さを教えて下さっていますが、読書は時代や空間を超え自分の知らない世界を体験することができ、人生を豊かなものにしてくれます。私も忙しい中でも、時間を見つけ、読書に挑戦し続けていきたいと思っています。